Ethiopia⑩
あっというまのダナキル生活。
過酷だったけれど、とても幸福な日々だった。
月明かりも、風も、ロバの鳴き声も、
夜明けに出発し、私たちの寝ているそばを通過する塩のキャラバンも、
塩湖や火山でのムハンマドお爺さん達の祈りも、
イェティムノの料理も、
アブラハムとの会話も、
山頂で飲んだコーヒーも、
アファル人のおまんじゅうのような家でいただいたコーヒーの味も、
靴下で作った水筒も、
水を欲し 食欲を失せさせた うだるような暑さも、肌をつきさすような日差しも、
目の前で見た地球の内臓も
みんなみんな忘れないようにしよう。
一度きりの人生、一度きりの出会い、一度きりのこの地球という星の中で…