Ethiopia③
シャンプーや、リンス…これは必要ないだろうけど一応小さな旅行用サイズのものを持って、それから帽子、
一週間分の食糧、水、寝袋、椅子、、温度計、高度計、ガス探知機に、念のため ガスマスク、、そしてタオル。
あと、水を冷やすための靴下。
標高2000mを超えるメケレを出発。この道はまだ良いほうだった。大地溝帯ならではの断崖を走り、
進むにつれ緑も徐々に減っていく。エアコンの無い車内に舞い込む風は熱風に変わっていく。
窓を開けなければ熱気で息がつまりそうになるけど、窓を開けても熱気が吹き込むのはどうしたものか。
室外機のそばにずっといるような。。。ドライヤーをあてられているような。。。そんな例えで伝わるかなぁ??
4時間ほど走ってバレ・アレ村に到着。ここでダナキル砂漠に入るための許可証をもらわなければ先に進めない。
‘死の砂漠’と呼ばれるダナキル砂漠で行方不明になった人も過去にいるらしい・・・。ジブチ、エリトリアとの国境付近になるここからは銃を装備したポリスも何名か同行する。
お昼ごはんは巨大なクレープのような「インジャラ」。これがとても酸っぱくて、私は慣れるのに時間がかかった。このインジャラにヤギのお肉を煮込んだピリ辛のおかずと一緒に手づかみでいただく。テーブルを這っているアリたち、ハエたち、足元にごろごろ落ちたおかずたちを横目に、日本にいる私は、あまりにも潔癖すぎるのでは?と疑問をいだいてしまう。
さて、お昼休憩をした後、ダナキル砂漠の入り口 ブラ・ハレ村に到着するまでさらに5~6時間走ったかな?
日は傾きあたりは次第に茜色に変わり始めた大地を、ゆっくりゆっくり進んでいく美しいラクダの行列に遭遇。
メケレから歩いてきたのかな。ねぇ、いったい何日かけて!?
さらにラクダの進む先に広がる「海!?」のような光景に、目を奪われた。
真っ白な大地。
あの白い大地のそばに私たちがベースキャンプするブラ・ハレ村があるらしい。
そこに5つ星のホテルがあるらしい?
さて、村に辿り着いて案内された宿は・・・?
小屋の中はあまりにも暑いので満点の星と月明かりの下で野宿。
お手洗いは各自いい場所を見つけて適当に。
皆、方々に散らばり、場所を探す。身を隠してくれる場所がどこにも無い。どうしても村人に遭遇してしまう。
だからなるべく、日が完全に沈んでから、そしてまた日が昇らないうちに、用を足すことにした。
この暑さでは寝袋も必要なさそうだ。
すでに衣服は汗をたっぷり吸いこみ、頭の痒さがうずきだしていた。
村の人々が、籐で編んだ手作りのベッドの上で体を拭き、顔を拭き、
バックパックに足をのせてそっと横たわる。
月明かりと、風の音、移動する星たち。
夜空を眺めていたら、遠い遠い東京の空を想った。家族や、友達をなぜかとても懐かしく想った。
ここは別世界だ。うまく言えないけれど、私はまったく別の世の中にいる。そんな風に思って
いつのまにか眠りにおちた。とても気持ち良く眠りにおちた。メールも電話もネットも繋がらないこの場所ではそういう気持ちを祈りに変える。
明日の朝、日が昇らないうちに、トイレにいこう。