シャンプーや、リンス…これは必要ないだろうけど一応小さな旅行用サイズのものを持って、それから帽子、
一週間分の食糧、水、寝袋、椅子、、温度計、高度計、ガス探知機に、念のため ガスマスク、、そしてタオル。
あと、水を冷やすための靴下。
標高2000mを超えるメケレを出発。この道はまだ良いほうだった。大地溝帯ならではの断崖を走り、
進むにつれ緑も徐々に減っていく。エアコンの無い車内に舞い込む風は熱風に変わっていく。
窓を開けなければ熱気で息がつまりそうになるけど、窓を開けても熱気が吹き込むのはどうしたものか。
室外機のそばにずっといるような。。。ドライヤーをあてられているような。。。そんな例えで伝わるかなぁ？？
４時間ほど走ってバレ・アレ村に到着。ここでダナキル砂漠に入るための許可証をもらわなければ先に進めない。
‘死の砂漠’と呼ばれるダナキル砂漠で行方不明になった人も過去にいるらしい・・・。ジブチ、エリトリアとの国境付近になるここからは銃を装備したポリスも何名か同行する。
お昼ごはんは巨大なクレープのような「インジャラ」。これがとても酸っぱくて、私は慣れるのに時間がかかった。このインジャラにヤギのお肉を煮込んだピリ辛のおかずと一緒に手づかみでいただく。テーブルを這っているアリたち、ハエたち、足元にごろごろ落ちたおかずたちを横目に、日本にいる私は、あまりにも潔癖すぎるのでは？と疑問をいだいてしまう。
さて、お昼休憩をした後、ダナキル砂漠の入り口 ブラ・ハレ村に到着するまでさらに5～6時間走ったかな？
日は傾きあたりは次第に茜色に変わり始めた大地を、ゆっくりゆっくり進んでいく美しいラクダの行列に遭遇。
メケレから歩いてきたのかな。ねぇ、いったい何日かけて！？
さらにラクダの進む先に広がる「海！？」のような光景に、目を奪われた。
真っ白な大地。
あの白い大地のそばに私たちがベースキャンプするブラ・ハレ村があるらしい。
そこに5つ星のホテルがあるらしい？
さて、村に辿り着いて案内された宿は・・・？
小屋の中はあまりにも暑いので満点の星と月明かりの下で野宿。
お手洗いは各自いい場所を見つけて適当に。
皆、方々に散らばり、場所を探す。身を隠してくれる場所がどこにも無い。どうしても村人に遭遇してしまう。
だからなるべく、日が完全に沈んでから、そしてまた日が昇らないうちに、用を足すことにした。
この暑さでは寝袋も必要なさそうだ。
すでに衣服は汗をたっぷり吸いこみ、頭の痒さがうずきだしていた。
村の人々が、籐で編んだ手作りのベッドの上で体を拭き、顔を拭き、
バックパックに足をのせてそっと横たわる。
月明かりと、風の音、移動する星たち。
夜空を眺めていたら、遠い遠い東京の空を想った。家族や、友達をなぜかとても懐かしく想った。
ここは別世界だ。うまく言えないけれど、私はまったく別の世の中にいる。そんな風に思って
いつのまにか眠りにおちた。とても気持ち良く眠りにおちた。メールも電話もネットも繋がらないこの場所ではそういう気持ちを祈りに変える。
明日の朝、日が昇らないうちに、トイレにいこう。
“Ethiopia③” への6件のフィードバック
まずはやはりトイレのこと考えますよね。
熱気、アリやハエ、汗をたっぷり吸いこんだ衣服
お風呂も入れない為頭が痒くなる、そして野宿・・・
三佳さんはタフですね！
体に気をつけて、ふしぎを発見してください。
朝、昼、夜、その時々に自然が見せる、神秘的でいて、厳しく逞しい姿を体験できて、正直羨ましいです！？
パウロ・コエーリョさんのアルケミストを彷彿させますね。パウロ・コエーリョさんは好きな作家さんです。
ご存知？早朝のトイレ。僕もそうしますよ。三佳さん！！
予想以上の過酷さにおどろき・・・？
車の中はエアコンが効いているのではと思っていました
せめて食べ物だけでもと思いますが・・・？
現地の方はそんな生活に慣れているのですよね？
三佳さんの体調も気になりますが、きっとがんばって・・・乗り越えてこられるのでしょうね～！
テレビ放映はこころして私たちも観たいと思います！
今はだただ日本から『がんばってくださいね』としか言えませんが・・・
信じられない所で、信じられない事に遭遇し、信じられない事を体験している三佳さんの無事を祈らずにいられません。
日本にいる僕が小さく思えます。
正直、大自然と、満天の☆以外は遠慮したい内容です。
頑張ってください。
それしか言いようがありません。
でも、決して無理は禁物です。
どうか、ご無事で．．．。
早く帰ってきて！
続き
暑さ、慣れない食事、お手洗いの苦労、お風呂に入れない辛さ、等々、本当に大変過酷なロケでしたね。本当にお疲れさまでした。
三佳さんも書かれていますが、この場所はまさしく日本とは別世界だと思います。
暑いし、清潔ではないし、便利なものは何もなく不便だらけ、命の危険さえある場所。。。でも、私は三佳さんが体験されたような、満天の星空のもとで、移動する星を眺め風の音を聞きながら眠りにつく。。。なんて素敵なことだろうと思えてならないのです。
旅の情景が手に取るように分かる素晴らしい文章と、素敵なお写真、素敵な更新ありがとうございます。
三佳さん感動しました！
なんて素敵なんだろう。。。ちょっと言葉に出来ないくらいに感動しています。そう私が子供の頃から夢見て憧れていた光景が今、目の前に広がるようです。
たくさんの本や映画やテレビ番組などで観て、あれこれ想像し、いつかは訪れたいと夢見ていた憧れの場所。。。そう「星の王子さま」サン・テグジュペリの世界。（地理的にはちょっと違いますが）
過酷な灼熱の大地！三佳さんの例え。。。室外機のそばにずっといるような・・・ドライヤーにあてられているような・・・とてもよく伝わりますよ。
そして、慣れない現地の珍しい食事や、日本とは全然違う生活環境。
夕暮れの美しい大地をゆっくりゆっくり進むラクダの行列。
海のような真っ白な大地。
満天の星空と美しい月。過酷な環境であり、気軽に訪れる場所ではないのは承知していますが、この美しい光景や厳しい光景のどれもが、永久の私の憧れです。