SICAN !
10世紀から11世紀にかけて空前の繁栄を遂げ、たった100年で滅びた黄金の都。
1000年もの間忘れ去られ、わずか18年前まで知られることのなかった「シカン」。
このシカン遺跡の存在を明らかにしたのは、なんと..日本人考古学者! 島田泉教授。
今回、島田先生に遺跡へ同行していただきながら、いろんなお話を聞かせてもらい、考古学のおもしろさに興奮してしまった。
今まで聞いたこともなかったインカ帝国のルーツ、これまで見たこともなかったようなミイラの埋葬のされ方、信じられないほど美しい膨大な量の黄金埋葬品。
墓の主が見ていた方向には何があったのか・・・なぜ人々は神殿をつくり、仮面をつくり、黄金や土器で埋め尽くし、ミイラにしたのか。
いろんな疑問が浮かぶけれど、それは正解のない謎解きのようで(でも、その推理がまた楽しくて)まるで女版インディアナ・ジョーンズになったような気分。
このシカン遺跡を通じて感じた人間の無限の力。どんな場所にも…「想いは残る」。
正解は無くとも、そこに「想いを馳せる」ことが大切なのかもしれない。
なぜこれを造ろうとしたのか、何を伝えたかったのか、私たちに何を残してくれたのか。
長い長い歴史の中で、数え切れないほどの人々の苦楽が私たちに繋がっている。
彼らもまた、海を渡ってやってきた彼らの祖先(ニャイン・ラップ)を敬っていたのだと考えると、仮面の向きにも納得がいきます。。。!
さて、30年前の発掘作業の現場ではまだケイタイも無い、パソコンも使用していない、テレビも無い・・・広大な大地の中での生活は世間と隔絶された空間だったそうです。
あぁ、そんな空間で古代のロマンに包まれたい!
「先生、30年間同じ場所で発掘作業を継続できる原動力は何ですか?」
「若い仲間たちのパワーに接しているからかもしれないね。しかしながら、1000年という長い時間に比べれば、たった30年ですべてをわかろうとするのはとてもおこがましいこと」。
「ペルーの国から見れば、外国人が日本の天皇のお墓を掘るようなものですからね。今後この発掘をペルーの人に引き継ぎたいと考えているんです。」と語って下さった島田先生。
でも、先生はペルーの人たちにとっても、すばらしい功績を残していらっしゃると思うんです。(私がこんなえらそうなこと言えたものではありませんが…)
それにしても・・・
いつだって人は一人では生きていけないものなのですね。
いくつものピラミッドだって大勢の人々の力が結集した証。。。
(in Peru, Chiclayo/ あっちも、こっちもピラミッド! シカン遺跡にて)