映画「冬へのパッサカリア」

坪川拓史監督の新作映画「冬へのパッサカリア」を観に行きました。3作からなる連作短編集です。
第一話『無口なピアノ』
第二話『記憶と水音』
第三話『昨日の煙』

コロナ禍に 北海道の室蘭にて、
iPhoneで撮影されたとは思えないほど、
どのお話も 映像が美しく 切なく 良質な作品です。

撮影中、俳優さんもカチンコ鳴らしたり、レフ板を持ったり、ロケハンしたり、みんなで作り上げた…そんな裏話も素敵だと思いました。

第三話は昨年94歳でお亡くなりになった坂本長利さんの遺作となりましたが、坂本さんのお芝居も素晴らしかったです。

「冬へのパッサカリア」とあわせて、坪川監督の全監督作が東京・K’s cinemaで7月25日まで上映されています。
https://natalie.mu/eiga/news/625259

 

稲澤美穂子さんの日本画展

稲澤美穂子さんの日本画展
〜 土からの日本画「これからの物語」〜
拝見いたしました。

稲澤美穂子さんが、
日本の大地約150カ所の土で作った顔料、産業廃棄物となったスラグから作られた色、朱で表現された作品はどれも大変興味深く

1989〜2023年の気温の偏差値を参考に土の色で描かれたグラフにも私は感動しました。

終戦の年の日本の気候が一番温度が低い不思議。

私たちの足元の大地にも 地球にも その時々の感情があるのだろうと思う。

南三陸の土を採取したときに稲澤さんが感じた「この土は何かが違う」そう思われたお話も 私の心に残っています。

日本の土で描いた日本画、本当に素晴らしいです。

稲澤美穂子
土からの日本画「これからの物語」
2025年 7月14日〜19日
日本橋小津和紙ギャラリー

 

 

山岸伸写真展「KAO 日本の顔」

山岸伸写真展「KAO 日本の顔」 scene 1141-1225
大盛況のオープニングパーティーにて

2025年7月14日(月) 〜 26日(土)
ニューオータニ
オカムラガーデンコートショールームにて
開催中です

7月19日(土)13時〜14時
ギャラリートークも行われます

今回も圧巻の日本の顔!
展示作品のエネルギーがさらにパワーアップしている!と感じました

#山岸伸 #KAO #記憶と記録 #1225組

 

野町和嘉 − 人間の大地

7/5〜開催
野町和嘉「人間の大地」 内覧会

壮大なスケールの展示会場をめぐりながら、圧倒されっぱなしでした。

野町さんが半世紀に及び 旅を続け ファインダーの中に捉えた

サハラ、ナイル、エチオピア旧約聖書の世界、ダナキル、チベット、ラダック、メッカとメディナ、グレート リフト バレー、アンデス、イスラーム大巡礼・・・

私も訪れたことのある場所…メキシコのプエブラ、エチオピアのダナキル砂漠、アフリカ大地溝帯、アンデス、インド ケララからの巡礼者のお写真もあり、1970年代〜80年代の野町さんの展示写真を拝見し、どうしたらこの場所へ入ることができ、どうしたらこんな瞬間を捉えることができるのかと、、、打ちのめされ、 何というか 本当におこがましいのですが、まるでミステリーハンターの大先輩のような… とにかく野町さんの圧倒的な写真の力に 大きな会場を何周もしながら魅入ってしまう。タッシリ・ナジェール先史壁画の展示写真の大きさ!まるでその場にいるかのような臨場感。

いま、皆んながスマホやデジカメで簡単に写真を撮ることができる時代だけれども、現代のどの旅写真とも野町さんのお写真は圧倒的に何かが違う。この違いは何なのだろう、何だろう、と考えながら、私の心が震え感動したのです。

あの大地での この光景が
今 どれほど ここに残っているのだろう… と、想いを巡らせる場所もあり
(例えば 私が訪問を断念せざるを得なかったラダックや、ダナキル砂漠のラクダのキャラバンたちも含め)
なんて尊い貴重なドキュメントかと… 素晴らしい写真に残してくださり ありがたい気持ちにもなりました。

そして人間の祈りとは何なのか
日本にいる私たちにとっての祈りとは…

私の拙い言葉では伝えきれない…
皆様ぜひ会場へお出かけください。

奥深く壮大な 人間の大地を 多くの方に会場で体感してほしいと願います。

野町和嘉 ― 人間の大地
世田谷美術館にて
2025.07.05 – 08.31

 

奥の部屋のガラスケースの中には
野町さんが昔、ご自分で手作りされた写真集も展示されています。そのダミー本を見たイタリアの国際出版社が出版を即決し、1977年、野町さんの SAHARA が世界的に知られるように…。

感動の余韻に浸り
写真集 -人間の大地- のページをめくっています。素晴らしい内容です。

 

越中八尾 おわら 風の盆

榎並悦子写真展「越中八尾 おわら 風の盆」
会場に流れる静謐な「おわら」の調べとともに まるでその場にいるかのように鑑賞できた 風の盆の世界…. 感動いたしました。
榎並先生が20年以上に渡り通いつめて撮られた八尾町の風の盆。
踊る人々の指先まで 足の運びまで 腰の入り方まで
日本舞踊の経験の無い町の方々が ここまで美しく 日本の舞踊の要素をしっかり取り入れ 受け継がれていることにも感銘を受けます。
そして、日本の各地のお祭りは風鎮祭であり、自然への敬意の表れであることをしみじみと感じました。
さだまさしさんの文章も心に沁み入る・・・
素晴らしい写真展。
六本木 フジフィルム スクエアにて7月3日(木)まで

映画「国宝」鑑賞

感服いたしました。
稀代の女形。
芸 と 血。
観ながら蘇った 日本舞踊のお稽古の時のあの床の音、日本舞踊のお師匠さんが病室で空に描いた舞の手。叱られたことすら私にとって宝だったことに気づき、名前をいただくことの凄さを改めて感じた。鷺娘、娘道成寺、再び踊りたくなり 天国の梅静先生に会いたい…と思った。
ネタバレになってしまうのであまり言えないけれど、瀧内公美さんの役が放つ台詞も刺さる。
吉田修一さんの原作を読まなければ。